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試験に出そうなヒストグラムの例

本記事では統計学に頻出のヒストグラム(例)を9個ご紹介し、それぞれの特徴について説明していきます。ただし、あくまでも一般的な傾向を示したものであり、実際にデータを集めてみると異なる結果になることもありますので、その点はご了承ください。

1. 世帯所得の分布

世帯所得のヒストグラムは、右側に長く裾が伸びる傾向(右裾分布)が見られます。多くの世帯は比較的低所得層に集中し、高所得の世帯は少数存在するという特徴を表しています。これは所得分布の不平等さを表す指標のひとつとしても活用されることがあります。

2. 試験得点の分布

試験の得点分布は一般的に平均的な得点の付近にピークがあり、やや左側にも裾が伸びています。これは多くの学生が一定の理解度を持ち、比較的高い得点を取る一方で、一部に学習に困難を感じる学生が存在することを示しています。また、満点となる100点付近のデータも多くなる場合があり、最大値付近にデータが偏る特徴的な分布となる可能性もあります。

3. 身長の分布

身長の分布は、多くの場合きれいな左右対称の釣り鐘型(正規分布)になります。これは遺伝や栄養、生活環境など多くの要因が複雑に絡み合い、極端に高身長あるいは低身長の人がまれであることを示しています。

4. 睡眠時間の分布

1日の睡眠時間の分布では、7~8時間の睡眠をとる人が多く、短時間の睡眠しか取らない人が少数いるため、左側に裾がやや伸びる形状をとることもあります。左側に裾が伸びる分布は意外と少ないです。睡眠時間のほか、企業の退職時の年齢の分布、難易度が低く高得点の人が多いような試験の点数の分布などで左側に裾の長い分布が見られやすいです。

5. SNS利用時間の分布

SNS利用時間のヒストグラムは、短い利用時間の人が多数を占める一方で、非常に長い時間利用するヘビーユーザーが少数存在し、右側に裾が長く伸びています。これはネット依存症など社会問題との関連を示唆することもあり、心理学的・社会学的研究という場面設定での出題に使われることがありそうです。

6. 自動車の走行距離の分布

年間の走行距離は、短距離を走る車が多くを占める中で、長距離を走る車も少数いるため、右に長い裾を持つ分布となります。これは車の利用方法の多様性や、都市部と地方部の生活スタイルの違いなどを反映したものとなります。例えば長距離トラック限定でデータを集計すれば、また異なる形状のヒストグラムとなりそうです。

7. 通勤時間の分布

通勤時間の分布もまた、短時間で通勤する人が多数を占めますが、一部には非常に長い時間をかけて通勤する人も存在するため、右側に裾が伸びる特徴を示しています。これも都市部と地方、あるいは、職業によって分布の形状が異なるものになりそうです。

8. 出生時体重の分布

新生児の出生時体重は、典型的な正規分布を示します。多くの赤ちゃんが平均的な体重で生まれ、極端に重い、あるいは軽い赤ちゃんが少ないという分布です。出生時体重が5000gを超えるようなケースは、低体重での出生に比べるとやや稀な印象がありますので、やや左に裾が長い分布となりそうです。

9. 商品購入回数の分布

商品購入回数は、多くの場合、少ない回数の購入者が多数を占め、購入回数が増えるほどその人数が大きく減少するため、右側に裾が伸びた分布形状となります。この分布はマーケティング戦略において顧客の購買行動を理解するためによく活用されます。

以上、統計的に典型的な9つのヒストグラムをご紹介しました。どれも実生活の中で見られる興味深い特徴を持ち、だからこそ、試験で出題されやすい(問題作成側からすると作成しやすい)ヒストグラムといえそうです。