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ベイズの定理
ベイズの定理を「結果を観測したあとで原因の確率を更新する仕組み」として理解し、事前確率・事後確率の意味を説明できるようになる
ベイズの定理は「結果から原因」を考える
前のレクチャーでは、 条件付き確率を学びました。
ベイズの定理は、その条件付き確率を使って、 ある結果が起きたあとで、その原因についての確率を考える ための定理です。
ここでは、3つの工場 \(B_1\)、\(B_2\)、\(B_3\) のいずれかで製造された製品を考えます。
そして、製品が 故障した という結果を事象 \(A\) とします。
工場 \(B_2\)
工場 \(B_3\)
通常は、 「\(B_1\) 工場で作られたとき、故障する確率」 のように、 原因から結果を考えます。
↓
\(A\)
ベイズの定理で知りたいのは、その逆です。
↓
\(B_1\) ?
30個の製品で状況を整理する
具体例で考えていきましょう。
全体で30個の製品があり、 3つの工場 \(B_1\)、\(B_2\)、\(B_3\) で それぞれ10個ずつ製造されているとします。
また、各工場で作られた製品が故障する確率を、 次のように仮定します。
この状況を、 30個の製品そのもので見てみましょう。
故障した6個だけの世界を見る
では、 実際に故障した製品が1個見つかったとします。
この製品がどの工場で作られたものなのか、 という確率を考えたいわけです。
「故障した」という条件が分かっているので、 前の条件付き確率と同じように、 故障した製品だけの世界に絞ります。
故障した6個のうち、 \(B_1\) 工場で製造されたものは1個です。
つまり、この例では公式を知らなくても、 故障した6個だけを見れば答えが分かる ことになります。
STEP 04〜06で式・事前確率と事後確率・表での整理を順番に確認すると、 ベイズの定理のイメージがつかみやすくなります。
ベイズの定理の式を読む
ここまでの考え方を、 ベイズの定理の式で確認します。
まず条件付き確率は、
ここで分子の \(P(A\cap B_1)\) に乗法定理を使うと、
したがって、 次のベイズの定理が得られます。
一見すると複雑ですが、 それぞれが何を表しているかを見ると理解しやすくなります。
今回の例では、
したがって、
×
\(B_1\) で作られたとき故障する
↓
\(B_1\) かつ故障
事前確率から事後確率へ更新する
ベイズの定理では、 事前確率と事後確率 という言葉が重要です。
今回の例では、 故障したという情報を得る前には、 3つの工場から同じ数だけ製造されています。
結果を見る前には \(B_1\) の確率は \(\frac13\) でした。
ところが、 「故障した」という新しい情報 を得ると、 \(B_1\) の確率は \(\frac16\) に変わります。
↓
新しい情報を得る
↓
確率を更新する
このように、 新しい情報を使って確率を更新することが、 ベイズの定理の重要な考え方です。
事後確率 = 結果を見たあとに更新された確率
表を使ってベイズの定理を確認する
ベイズの定理で混乱したときは、 具体的な個数を表に整理すると分かりやすくなります。
今回の30個の製品を表にすると、 次のようになります。
この表を見ると、 条件付き確率の向きの違いも分かります。
「\(B_1\) 工場で作られた」という条件なので、 \(B_1\) の列だけを見ます。
「故障した」という条件なので、 故障 \(A\) の行だけを見ます。
同じ左上の「1」を使っていますが、 条件が違えば分母となる世界も変わります。
ベイズの定理の式を理解したうえで、 このような表に整理できると、 実際の問題でもかなり扱いやすくなります。
ベイズの定理を整理する
↓
結果を観測する
↓
原因の確率を更新する
新しい情報を使って、 原因についての確率を更新する仕組み
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