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時系列データの変動分析と自己相関

時系列データでは、値そのものだけでなく、「時間」が生み出す規則的な変動に注目することが重要です。このレクチャーでは、時系列データを傾向変動・季節変動・不規則変動に分けて捉えたうえで、過去の自分自身との関係を見る自己相関と、それを可視化するコレログラムを理解します。
このページのゴール

時系列データの変動を3つに分けて説明し、自己相関とコレログラムから「何期前のデータと似ているか」を読み取れるようになる

STEP 01

時系列データの「変動」に注目する

時系列データでは、 「時間」という変数が値にどのような変動を与えているか が重要になります。

たとえば、長い目で見ると少しずつ増えている一方で、 1年の中では同じような上下を繰り返している、 というデータもあります。

時系列データの中には、 長期的な流れや周期的な動きなど、 複数の変動が重なっています。

そこで、観測された時系列データを どのような変動からできているのか に分けて考えていきます。

ここがポイント
時系列データでは、 「時間によって生じる変動」を考える
STEP 02

時系列データを3つの変動に分ける

時系列データは、 次のように3つの変動に分けて考えることがあります。

\[ y_t = TC_t + S_t + I_t \]
観測された時系列データ = 傾向変動 + 季節変動 + 不規則変動
\(TC_t\)
傾向変動
長期にわたる基本的・持続的な変動
\(S_t\)
季節変動
1年を周期として繰り返す変動
\(I_t\)
不規則変動
上の2つでは説明できない偶然的な変動

傾向変動のうち、 比較的短い期間で一定の周期をもって繰り返す動きを 循環変動として区別することもあります。

ここでは、統計検定®2級の公式テキストの整理に合わせて、 傾向変動の中にまとめて扱います。

ここがポイント
\(y_t=TC_t+S_t+I_t\)
時系列データを「長期・季節・その他」に分けて考える
STEP 03

3つの変動を図で理解する

それぞれの変動を、 図の形でイメージしておきましょう。

① 傾向変動(トレンド)
長期にわたって続く、 基本的な上昇・下降の流れです。
② 季節変動
春夏秋冬など、 1年を周期として繰り返す変動です。
③ 不規則変動
傾向変動や季節変動では説明できない、 偶然的な変動です。

たとえば、ボーナスを含む給与や、 季節性のある商品の売上では、 季節変動が目立つ場合があります。

ここがポイント
長期の流れ → 傾向変動
1年周期 → 季節変動
それ以外 → 不規則変動
STEP 04

自己相関とは何か

時系列データでもう1つ重要なのが 自己相関です。

通常の相関係数では、 2つの異なる変数の関係を見ました。

自己相関では、 同じ時系列データを時間だけずらして、 過去の自分自身との関係を見ます。

現在
\(y_t\)
比較
h期ずらす
\(y_{t+h}\)

この「何期ずらして比べるか」を タイムラグと呼びます。

lag 1 1期ずらした自分自身と比べる
lag 2 2期ずらした自分自身と比べる
lag 3 3期ずらした自分自身と比べる

自己相関が大きいということは、 そのタイムラグだけ離れた過去の値と、 同じような動きをしている ということです。

ここがポイント
自己相関 = 時間をずらした「過去の自分自身」との相関
STEP 05

タイムラグをずらして自分自身と比べる

具体例で自己相関の意味を考えてみましょう。

次のように、 3か月ごとに150になる 時系列データを考えます。

1月
2月
3月
4月
5月
6月
100
100
150
100
100
150
lag 1
1月と2月、2月と3月、3月と4月…
lag 2
1月と3月、2月と4月、3月と5月…
lag 3
1月と4月、2月と5月、3月と6月…

このデータでは、 3か月ずらすと

100 → 100
100 → 100
150 → 150

というように、 元の並びとよく似た状態になります。

つまりこのデータでは、 タイムラグ3の自己相関が高くなる と考えられます。

ここがポイント
3期ごとに同じパターンが繰り返されるなら、 lag 3 の自己相関が高くなる
STEP 06

コレログラムから周期性を読む

タイムラグごとの自己相関を 一覧で確認できるようにした図が コレログラムです。

横軸にタイムラグ、 縦軸に自己相関の大きさをとります。

自己相関
タイムラグ
lag 3
lag 6
lag 9
棒が高いタイムラグほど、 その期間だけ離れたデータとの自己相関が強いことを表します。

たとえば、 lag 3、6、9で高い自己相関が見られるなら、 3期ごとのパターンが繰り返されている可能性 を考えられます。

コレログラムの読み方
① 横軸でタイムラグを見る
② 棒の高さを見る
③ 高いラグの規則性を探す

このようにコレログラムを見ることで、 時系列データの中にある 周期的な構造を見つける手がかりになります。

ここがポイント
コレログラム = 「何期前の自分と似ているか」をタイムラグごとに可視化した図
SUMMARY

時系列データの変動と自己相関を整理する

傾向変動
長期に続く基本的な変動
季節変動
1年周期で繰り返す変動
不規則変動
それ以外の偶然的な変動
自己相関
時間をずらした過去の自分自身との相関
コレログラム
自己相関をタイムラグごとに可視化
最後に
時系列データでは、
「時間が生み出す変動」と
「過去の自分との関係」を見る
NEXT STEP

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