スマホで統計学

06

偏相関係数

相関係数が大きくても、2つの変数が直接関係しているとは限りません。
ここでは、第3の変数の影響を取り除いて2変数の関係を見る「偏相関係数」を整理します。
このページのゴール

相関係数の注意点と、偏相関係数が「第3の変数の影響を除いた相関」を表す意味を説明できるようになる

STEP 01

相関係数の3つの注意点

前のレクチャーでは、2つの量的変数のばらつき方の関係を 相関係数で表しました。

ただし、相関係数を解釈するときには、 大きく3つの点に注意する必要があります。

① 相関関係 ≠ 因果関係
相関
\(x \leftrightarrow y\)
因果
\(x \rightarrow y\)
相関係数は2変数のばらつき方の関係を表しているだけで、 一方がもう一方の原因であることまでは意味しません。
② 非線形な関係を捉えにくい
強い関係があっても、直線では表せない場合があります。
相関係数は、点が直線的に並ぶ関係を見る指標です。 放物線のような非線形の関係は、 強い関係があっても相関係数に表れにくいことがあります。
③ 見かけ上の相関があり得る
xとyが関係しているように見えても、 実は第3の変数zが両方に影響している場合があります。
ここがポイント
相関係数が大きいだけでは、 因果関係や直接的な関係があるとは言えない
STEP 02

見かけ上の相関を考える

第3の変数によって生まれる見かけ上の相関を、 擬相関と呼ぶことがあります。

代表的な例として、 夏のアイスの売上電力消費量を考えてみましょう。

気温
\(z\)
アイス
売上
\(x\)
電力
消費量
\(y\)
見かけ上の相関
気温が上がることで、 アイスの売上と電力消費量の両方が増えている可能性があります。

アイスの売上と電力消費量には、 見かけ上は正の相関が見えるかもしれません。

しかし実際には、 気温が上がることでアイスの売上も電力消費量も増えている 可能性があります。

この場合、xとyの相関の一部は、 第3の変数zとの関係によって生じていることになります。

ここがポイント
xとyの相関の背後に、 両方と関係する第3の変数zが隠れていることがある
STEP 03

第3の変数の影響を取り除く

そこで使われるのが偏相関係数です。

偏相関係数では、 xとyの関係について、 第3の変数zとの関係を調整したうえで見ていきます。

\(x\)
\(y\)
\(z\)
\(r_{xy}\)
\(r_{xz}\)
\(r_{zy}\)

イメージとしては、 xとyの元の関係 \(r_{xy}\) をそのまま見るのではなく、 xとz、yとzの関係を考慮して調整するということです。

元の相関
\(x \leftrightarrow y\)
zとの関係を
調整していない
偏相関
\(x \leftrightarrow y\)
zとの関係を
調整したあと

偏相関係数は英語で partial correlation と呼ばれます。

partialには「部分的な」という意味があり、 xとyの関係のうち、 zと関係する部分を切り分けて考える イメージです。

ここがポイント
偏相関係数は、 第3の変数zとの関係を調整したうえでxとyの関係を見る
STEP 04

偏相関係数の式を読む

zとの関係を調整したxとyの偏相関係数は、 次の式で計算されます。

\[ r_{(xy\cdot z)} = \frac{ r_{xy}-r_{xz}r_{zy} }{ \sqrt{1-r_{xz}^{2}} \sqrt{1-r_{zy}^{2}} } \]
\(r_{xy}\) はxとy、 \(r_{xz}\) はxとz、 \(r_{zy}\) はzとyの相関係数です。

一見すると複雑ですが、 分子と分母に分けて見ると意味をつかみやすくなります。

① 分子を見る
\(r_{xy}-r_{xz}r_{zy}\)
xとyの元の相関について、 zとの線形な関係を考慮して調整する イメージです。
② 分母を見る
\[ \sqrt{1-r_{xz}^{2}} \sqrt{1-r_{zy}^{2}} \]
xやyのうち、 zとの線形な関係では説明されない残った部分を基準にして、 分子を調整します。
分子
zとの関係を考慮して、 xとyの関係を調整する
分母
zとの関係を除いたあとに残る部分を基準にして調整する
ここがポイント
偏相関係数は、 zとの関係を調整したうえでxとyの線形な関係を表す
SUMMARY

偏相関係数を整理する

相関係数
2変数の線形な関係を見る
擬相関
第3の変数による見かけ上の相関
偏相関係数
第3の変数との関係を調整して2変数を見る
最後に
相関係数を見る

第3の変数の影響を疑う

必要に応じて偏相関係数で調整する
NEXT STEP

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