スマホで統計学

03

中心と散らばりの指標

ヒストグラムを見れば、分布の形は目で確認できます。
ここでは、その中心や散らばりを具体的な数値で表す方法を整理します。
このページのゴール

平均・分散・標準偏差と、そこから導かれる標準化得点・変動係数の意味を説明できるようになる

STEP 01

分布を「数値」で表す

前のレクチャーでは、ヒストグラムや累積分布図を使って、 量的変数の分布をで確認しました。

今回は、その分布の特徴を具体的な数値で表していきます。

図で見る
ヒストグラム
分布の形
数値で表す
統計指標
中心・散らばり

分布の特徴を見るとき、まず重要なのが どこを中心としているかと、 そこからどれくらい散らばっているかです。

ここがポイント
分布は「中心」と「散らばり」という2つの視点から数値で捉えられる
STEP 02

平均で中心を表す

分布の中心を表す代表的な指標が平均です。

\[ \bar{x} = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n}x_i \]
\(x_1,x_2,\ldots,x_n\) をすべて合計し、データ数 \(n\) で割ります。 \(\bar{x}\) は「エックスバー」と読み、変数 \(x\) の平均を表します。

\(\sum\) は、指定された範囲の値を順番に足し合わせる記号です。

Σ の意味
\(x_1+x_2+\cdots+x_n\)

平均は、すべての値を使って計算します。 そのため、中央付近の値だけでなく、 中心から遠く離れた値の影響も受けます。

\(\bar{x}\)
平均は、すべての値のバランスがとれる「重心」と考えられます。

この性質から、平均は分布の重心と考えることができます。

一方で、極端に離れた値があると平均も引っ張られます。 偏った分布では、直感的に感じる中心と平均がずれることがあります。

ここがポイント
平均はすべての値から決まる「分布の重心」
そのぶん、外れた値の影響も受ける
STEP 03

分散と標準偏差で散らばりを表す

中心が同じでも、データが中心の近くに集まっている場合と、 広く散らばっている場合があります。

この散らばりの大きさを表す代表的な指標が分散です。

\[ s^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2 \]
各データと平均との差 \(x_i-\bar{x}\) を「偏差」といいます。 偏差を二乗してすべて足し、\(n\) で割ったものが分散です。
\(\bar{x}\)
\(x_i-\bar{x}\)
平均からどれだけ離れているかが偏差です。
① 平均との差をとる
\(x_i-\bar{x}\)
② その差を二乗する
\((x_i-\bar{x})^2\)
③ 全員分を平均する
\[ s^2 = \frac{1}{n} \sum_{i=1}^{n} (x_i-\bar{x})^2 \]

二乗することで、偏差のプラスとマイナスが打ち消し合うことを防げます。 また、中心から遠い値ほど大きく評価されます。

ただし、分散では元の値を二乗しているため、 単位も二乗された状態になります。

そこで、分散の平方根をとって元の単位に戻したものが 標準偏差です。

\[ s=\sqrt{s^2} \]
標準偏差 \(s\) は、分散 \(s^2\) を平方根に戻したものです。 元の変数と同じ単位で散らばりを表せます。
分散
\(s^2\)
二乗された単位
標準偏差
\(s\)
元の単位
ここがポイント
分散 = 偏差の二乗を平均したもの
標準偏差 = 分散を元の単位に戻したもの

※ここでは記述統計なので \(n\) で割っています。 推測統計では \(n-1\) で割る「不偏分散」が登場します。

STEP 04

標準化得点で異なる変数を比較する

平均や標準偏差が異なる変数どうしは、 そのままでは値の大きさを比較しにくいことがあります。

そこで使われるのが標準化得点 \(z\)です。

\[ z = \frac{x_i-\bar{x}}{s} \]
まず平均を引いて中心を0にし、 次に標準偏差で割って散らばりの基準をそろえます。
標準化前
平均も
標準偏差も異なる
標準化後
平均 0
標準偏差 1
① 平均を引く
\(x_i-\bar{x}\)
→ 分布の中心を0にそろえる
② 標準偏差で割る
\[ \frac{x_i-\bar{x}}{s} \]
→ 散らばりの尺度を1にそろえる
ここがポイント
標準化すると、異なる変数を
「平均0・標準偏差1」の同じ世界で比較できる
STEP 05

変動係数でばらつきを比較する

標準偏差も、変数の単位や値の大きさが異なると、 単純には比較しにくいことがあります。

そこで使われるのが変動係数です。

\[ CV = \frac{s}{\bar{x}} \]
標準偏差 \(s\) を平均 \(\bar{x}\) で割ることで、 「平均に対してどれくらい散らばっているか」を表します。
分数の見方
分子
\(s\)
標準偏差
比較したい
「変動」が主役
分母
\(\bar{x}\)
平均
モノサシの
1目盛り
平均を1目盛りとした「モノサシ」で考える
分子
標準偏差
\(s\)
分母
平均
\(\bar{x}\)
平均を1としたとき、
標準偏差がどれくらいの割合にあたるかを見るイメージです。

平均を基準にすることで、 値の大きさや単位が異なる変数でも、 ばらつきの程度を比較しやすくなります。

ここがポイント
変動係数 = 標準偏差 ÷ 平均
「平均に対してどれくらい散らばっているか」を比べる
SUMMARY

中心と散らばりの指標を整理する

平均
分布の中心を表す
分散
偏差の二乗から散らばりを表す
標準偏差
散らばりを元の単位で表す
標準化得点
平均0・標準偏差1にそろえて値を比較
変動係数
平均を基準にしてばらつきを比較
最後に
中心を見る → 平均
散らばりを見る → 分散・標準偏差
異なる変数を比べる → 標準化得点・変動係数
NEXT STEP

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