スマホで統計学

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母集団と標本

推測統計では、手元にある一部のデータから、その背後にある全体の特徴を推測します。その出発点となる「母集団」と「標本」、そして母数と標本統計量の関係を整理しましょう。
このページのゴール

母集団と標本を区別し、標本から計算した統計量を使って母集団の母数を推定する、という推測統計の基本的な流れを理解する。

STEP 01

知りたい「全体」が母集団

研究や分析をするときには、 まず何について知りたいのかを明確にする必要があります。

この研究や分析の対象となる 全体の集合を、 母集団といいます。

母集団
分析の対象となる「全体」
全数・本当に知りたい対象

たとえば、ある学校の全生徒について知りたいのであれば、 その学校の全生徒が母集団になります。

ただし、母集団は非常に大きいことも多く、 全員・全件を調べることが難しい という問題があります。

ここがポイント
母集団は、研究や分析で本当に知りたい「全体」。
STEP 02

母集団の一部を取り出したものが標本

母集団のすべてを調べることが難しい場合には、 その中から一部を抽出して調べます。

この母集団から抽出された部分的な集合を、 標本またはサンプルといいます。

母集団
↓ 抽出
標本
手元にあるデータ

私たちが実際に分析できるデータは、 多くの場合、母集団そのものではなく この標本です。

母集団
↓ 抽出
標本
↓ 分析
母集団について推測する

このように、 標本を使って母集団について推測する のが、推測統計の基本的な考え方です。

ここがポイント
標本は母集団の一部。
手元の標本から、見えない母集団を推測する。
STEP 03

母数を標本統計量から推定する

母集団そのものを完全に知ることは難しくても、 その母集団を特徴づける値なら、 標本から推定できるかもしれません。

母集団を特徴づける値を、 母数またはパラメータといいます。

母集団を特徴づける値
母数・パラメータ
母平均 \(\mu\)
母分散 \(\sigma^2\)
母標準偏差 \(\sigma\)
母比率 \(p\)
↑ 推定
標本から計算する値
標本統計量
標本平均 \(\bar{X}\)
標本分散
標本標準偏差
標本比率

たとえば、母平均 \(\mu\) を知りたいのであれば、 母集団から標本を抽出し、 その標本から標本平均 \(\bar{X}\)を計算します。

母集団
↓ 抽出
標本
↓ 計算
標本平均 \(\bar{X}\)
↓ 推定
母平均 \(\mu\)

ここで、前の確率統計セクションで学んだ内容が使われます。

標本平均の期待値
\[ E[\bar{X}]=\mu \]
標本平均の分散
\[ V[\bar{X}] = \frac{\sigma^2}{n} \]
標本平均の確率的な性質を使って
母平均を推定できる

つまり推測統計では、 標本統計量をただ計算するだけではなく、 その統計量の確率的な性質を使って母数を推定する ことになります。

ここがポイント
知りたいのは母数。
手元で計算できる標本統計量を使って、それを推定する。
STEP 04

標本に偏りがあると推測も偏る

ここまでを見ると、 「母集団から一部を取って調べればよい」 と思えそうです。

ただし、重要な問題があります。

取り出した標本が、母集団をきちんと反映しているとは限らない ということです。

偏りの小さい標本
母集団の特徴を比較的よく反映
偏った標本
一部の特徴を過剰に含んでいる
標本に偏りがある
標本統計量も母集団を正しく反映しにくい
母集団についての推測にも問題が生じる

そのため推測統計では、 どのように標本を抽出するのかが非常に重要です。

標本をどのように集めればよいのかについては、 次のレクチャーで詳しく見ていきます。

ここがポイント
推測統計の出発点は「よい標本」を得ること。
標本が偏れば、母集団についての推測も偏る。
SUMMARY

母集団と標本を整理する

母集団
研究や分析で本当に知りたい全体
標本
母集団から抽出した手元のデータ
母数
母平均・母分散・母比率など、母集団を特徴づける値
標本統計量
標本平均など、標本から計算される値
推測統計
標本統計量を使って母集団の母数を推定する
推測統計の基本的な流れ
母集団
↓ 抽出
標本
↓ 計算
標本統計量
↓ 推定
母数
最後に
「全体は見えない。だから一部を見る。」
標本から母集団を推測するのが、推測統計の出発点。
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